通常は800円(土日祝祭日等は900円)とられるところを、15:00過ぎであれば500円と、宿のお風呂にしては格安で利用できるのです。
また、日帰り入浴は18:00までであって、平日の仕事が終わったあとだと、立ち寄るのはちょっと無理なので、今日のような日が、訪ねるのには最適だったのです。
さてここは、数々の宿が建ち並ぶ石和温泉の中でも大規模な、いわゆる「公共の宿」(民営化したからもうちがうのかな)。
フロントで利用料を支払い、1階の奥にある浴室へ向かいますと、風情ある中庭があるなど高級感も醸されていますが、どことなく画一的な、公共施設然とした部分も顔を覗かせていて、どうも暖かみを感じません・・・というのはぼくの偏見でしょうか。
浴室は、大きな宿らしくそれなりの広さがあり、浴槽は内湯に大小2つ、露天に中くらいのものが1つ。
内湯は、床に茶系の石が敷かれたり、あるいは浴槽のフチに岩があしらわれたりと、シンプルでありながらも落ち着きのある佇まい。
でも一方で、洗い場周りは無骨なステンレスで覆ってしまうとか、詰めの甘い印象も。
露天風呂は、壁などで四方を覆われてはいますが、広くはないけれど狭くもない面積が確保され、圧迫感はさほどないです。
浴槽にはこちらも岩が配され、また壁などには竹を模した樹脂製の柵が取り付けられて、さらにそこには雨の日用の笠が掛けられるなど、雰囲気づくりに力を入れている様は見てとれますが、いかんせん露天に接する壁がうすいピンクだったり、中途半端に凝った建物の一部が見えてしまうなど、宿というよりも公共の日帰り入浴施設のようにも感じられてしまい、残念ながらいかがなものかと思わざるをえませんでした。
お湯は、内湯の大浴槽で温泉を使用。小さいほうの浴槽は水道水を沸かしています。
そして露天風呂の浴槽はとくに表示がなく、温泉なのか不明。
というのも、温泉を使った浴槽は無色かつ循環されていて塩素臭もきつく、となりの水道水の浴槽と区別がつかないくらい、温泉らしさがないのです。
あまりよろしくない湯づかいでありました。
ここのお風呂は、15:00以降であればお安くなりますので、温泉らしさを求めず、単純にお風呂に入りたいというのであれば、いや温泉地にあってそれで満足する方がどれほどいるのかアレですが、訪れてもよかろうと思われました。



かんぽの宿石和
■ かんぽの宿 石和 ★★☆☆☆
山梨県笛吹市石和町松本348-1
http://www.kanponoyado.japanpost.jp/ (かんぽの宿ホームページ)